知識変換サイクル(SECIモデル)

「SECI(セキ)モデル」とは、個人が持つ知識や技術といった「暗黙知」を、組織で管理し共有する「形式知」へ変える基本の枠組みです。

 

共同化(Socialization)
表出化(Externalization)
連結化(Combination)
内面化(Internalization)
のそれぞれの頭文字をとって「SECIモデル」としています。

 

SECIモデルをもとに暗黙知形式知化し、組織全体に共有すると業務の属人化を防ぐことができ、業務効率化や生産性向上など、さまざまなメリットが得られます。

 

SECIモデルでは、知識や技術を暗黙知形式知に分けています。

 

暗黙知とは、個々が経験していくなかで培った知識や技術のことを指し、コツや勘に近いものです。暗黙知言語化が難しいため、簡単に共有することができないという特徴があります。

形式知とは、暗黙知をマニュアル化やテンプレート化することで誰でも取得できるようにしたものを指します。暗黙知形式知とすることで他者と共有しやすくなり、組織全体で活用ができるようになります。

 

【SECIモデルの流れ】

共同化:暗黙知から暗黙知へ共同するプロセスです。経験を共有することで、メンタルモデルやスキルなどの暗黙知を創造するプロセス。経験を共有しないと他人の思考プロセスに入り込むのは難しいとされています。キーとなるのは「共体験」です。

 

表出化:暗黙知を概念に表すプロセス。帰納法演繹法の手法を用い、暗黙知形式知にしていくプロセスです。知識創造の真髄となるプロセスになります。キーとなるのは「対話」です。

 

連結化:形式知同士を組み合わせてひとつの知識体系を作り出すプロセスです。異なった形式知を組み合わせて新たな形式知を作り出します。キーとなるのは「データベースによる情報化」です。

 

内面化:結合化して生まれた新たな形式知を個人が取り入れることによって、再び暗黙知を形成していくプロセスです。形式知を実践するうちにコツや勘をつかみ、個人のなかで暗黙知として確固たるものへと変化していきます。キーとなるのは「行動」です。

 

内面化によって得た暗黙知は、最初のプロセスに戻って共同化からリピートを繰り返します。

 

このSECIモデルの仕組みを組織全体がしっかりと理解していれば個々の持つ知識・技術は研磨され、より質の高い知識・技術へとアップデートすることが可能です。